当塾の定期テストについての考え方

子どもたちが恐れているものはテストではない

子どもたちはテストそのものを恐れているわけではなく、テストの結果によって

「他の子と比べられてしまう」

ことに最も恐れを抱き、恐怖と不安を強く感じています。

成績上位者ほど、テストへの抵抗がないのはこのためです。

悪い点数を取ろうと思っている子はいません、テストの結果はお子様が現在の自分ができる最大限の努力の結果です。

どんな結果であれ、本人が一生懸命に努力したことに対して、まずは労いの言葉をかけてあげてください。

テストの結果だけを否定することは、本人の一生懸命な努力の一切を否定することです。

  • 「なんでこんな点数しか取れないのか」
  • 「なんでこんな簡単な問題もわからないのか」

こういったテストの結果や点数だけを評価する言葉によって、子どもたちは、

「努力をしても認めてもらえない」

と家庭内の学習環境において孤立してしまうばかりか、

「一生懸命に頑張っても報われない」

と勉強そのものに対して否定的になってしまいます。

保護者の方にまずお願いしたいことは、こういった言葉で叱ることはやめてほしいということです。

その上で、テストまでの家庭での勉強の様子やテストでの間違えた箇所など、できるだけ具体的な反省点を挙げて、今回のテストの結果が次回のテストの糧となるように、努力の方向を指し示してあげてください。

  • 「基本的な問題ができていない様子だから、もっと学習時間を増やしたら?」
  • 「ミスが多いようだから、普段の勉強のときから間違えないようにじっくり解いてみたら?」

など、反省点を探し、それを克服するための言葉を与えてください。

こういった言葉は、たとえ当てずっぽうだとしても、親がお子様に歩み寄り、努力の方向を共に探す姿勢を示すものです

勉強するべきは本人なのですが、勉強という相当な努力が必要な状況において、親が頼りになる存在であると思えることで、勉強に対する不安や恐怖が軽減するのです。

本人の「できる努力の最大値」を伸ばしてあげること、これが最優先です。

定期テストの点数ほどあてにならないものはない

定期テストの一番大きな特徴は、

「定期テストごとに出題範囲が全く異なり、しかも、出題内容は学年を追うごとに難しくなる

ということです。

教科によっては、まるで同じ教科とは思えない範囲からの出題もあります。

出題される範囲、内容が全く違う上に、出題者の気まぐれによって難易度が変わります。

さらに、子どもたちにもそれぞれに得意な単元や苦手な単元があります。

苦手克服のために、今までより何倍も努力を重ねたのに、あまり努力しなかった前の定期テストの方が点数が良かった、ということも起こり得ます。

そのため、「前回と比べて点数が上がった!下がった!」などと単純に点数だけで比較し、一喜一憂することは無意味です。

(某大手塾の広告によく仰々しく掲載されていますが、あれも無意味だと思います。)

では、どうテストの結果を評価すべきか、というと、悲しいかな、評価は「相対評価」によって決まります。

つまり、子どもたちが最も恐れる「他の人と比べて」どれだけ努力したか、全体の平均点との差、全体の順位によって評価することです。

これは「本人がどれだけ努力して良い点を取っても、他の人がもっと努力してもっと良い点を取ってしまったら、成績は下がったことになってしまう」ということです。

もちろん反対もあり得るのです。

定期テストのような、母数の比較的少ない相対評価では、本人の努力量が正当に評価されない可能性があります。

このように定期テストは、単純に点数だけで評価されるようなものではなく、本人の一生懸命な努力も正当に評価されないことがある、ということを保護者の方、そして誰より本人が理解し、

「頑張っても結果は出ない」と思い悩んだり、

「次も楽勝だ」などと楽観することのない様、願っています。